聴覚情報処理障害(APD)ってなに?

聴覚情報処理障害(APD)とは、声は聞こえるものの言葉として理解できない症状を指します。
学生時代に自覚することが比較的少なく、社会人になってから仕事上のトラブルが生じて聞こえにくさを意識するケースが多いです。
どんな症状なのか、どんなことで困っているのか…
少しずつ、一歩ずつ、知ってください。

症状の例

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騒音の中で特に言葉が
聞き取りにくい。

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複数人との会話だと、
誰が何を話しているのか分かりにくい。

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電話の声が
聞き取りにくい。

  • 音は聞こえるのに、言葉が聞き取りにくい。
  • 話のスピードが速いとついていけない。
  • 会議など大人数での会話についていけない。
  • 耳で聞いたことを覚えるのが苦手。
  • 話が長くなると、内容がどんどん分からなくなる。
  • 学校での先生の声が聞きにくい。
  • テレビ番組によっては字幕が必要な場合がある。
  • 歌の歌詞が聞き取りにくい。
対応方法を知る

APDの困りごと

聴覚情報処理障害は、一般的な聴覚検査では異常が見られません。 原因は耳ではなく脳ではないかとも言われています。 健康診断や病院で検査を受けても、異常がないため相談にのってもらえないことも…。 APDは、「聴覚には異常がないけれど聞きとれない」ことが特徴です。

聴覚情報処理障害は、社会での認知がまだ十分とは言えません。 そのため、聞き取れないことを自覚し病院へ行っても、「気のせい」と言われてしまうことが多いのです。 また、一般の人もこの症状について知らず、理解されにくい状況です。 APDは、「お医者様もまだまだ知らない新しい症状である」ことが特徴です。

聴覚情報処理障害は、比較的新しい症状であり、治療法がはっきりしていません。 耳ではなく脳の異常ではないかとも言われ、原因は人それぞれ違うとされています。 APDは、「治療できないからこそ、上手に付き合うことが大切」なことが特徴です。

当事者の声

30代/女性/専業主婦(夫)/中部/未診断

幼稚園の保護者会などで、先生が話している最中に後ろの席の人が話し出すと、先生の話が全く聞き取れません。 普段から夫婦の会話でも私が何度も聞き返すので嫌がられます。話を聞くのが精一杯で、内容を理解できずよく怒られています。 テレビは字幕が必須です。字幕機能ありがたい!

20代/女性/公務員/中部/未診断

飲み会などで会話を聞き取れず、何度も聞き返したり聞き間違いを繰り返して、気まずい雰囲気になってしまいます。 会議の記録を聞き逃したり、聞き間違えたりすることもあります。特に緊張すると、多くなります。

20代/女性/学生/関東/診断未回答

頼まれごとは、紙に書いてもらわないと忘れてしまいます。 テレビを見ているときや勉強をしているときなど、他のことに集中しているときの頼まれごとは、後から全く思い出せません。

20代/その他/学生/北海道/未診断

大学のゼミやプロジェクトの会議に、よくついて行けなくなります。 どんな議題で、誰が何の意見を言ったのか聞き取れずついて行けません。 聞いたことを覚えるのも苦手なので、長い話になると「あれ、何の話をしてるんだっけ?」と混乱してしまいます。

20代/女性/学生/中部/未診断

何度聞き返しても聞き取れず、なかなか会話が成り立たない場合が多いです。 特に居酒屋などのざわざわした場所ではほぼ聞き取れず、人間関係を作る場で疎外感を感じます。 電話が苦手で聞き間違いが多くトラブルを起こしてしまうことがあります。 ドラマや映画も字幕がないと、内容を理解できないままエンディングを迎えることがよくあります。

30代/女性/専業主婦/東北/未診断

学生時代、聴覚検査では問題がないものの、休み時間の教室で特定の声を聞き取るのが苦手でした。 そのため耳が遠いと決め付けられたり、話を聞いていないイメージがついてしまい私がいる場で悪口を言われることがありました。 職場でも指示が聞き取りにくく、やる気がない、不誠実だと責められたこともあります。 結婚後もAPDの特性が原因で夫婦喧嘩が何度も勃発しました。

20代/女性/公務員/地域未回答/未診断

学生時代、居酒屋でアルバイトをしていました。注文が聞き取りにくく、集中したり近づいたり工夫はしましたが、聞き返すことが多かったです。 大学で相談したこともありましたが、「努力の問題かもしれない」と言われたことがショックでした。 社会人になった今も、騒がしい馬場所での会話やマスクをしている人の声、ボソボソと話す人の声は聞き取りにくいです。

もっと知りたいと思ったら

医学的な情報は、日々研究によって更新されて行きます。
APDに関してもっと詳しい情報を知りたい場合は、書籍や参考サイトもご覧ください。

参考サイト

関連書籍

APD「音は聞こえているのに 聞きとれない」人たち
―聴覚情報処理障害(APD)とうまくつきあう方法
小渕千絵


APDについて、現状や解説が分かりやすく、かつ深く掲載されている最新の書籍です。
APDの原因についても4つの分類で解説されています。
APDのことを深く知りたい方向けです。

聞こえているのに聞き取れない
APD【聴覚情報処理障害】がラクになる本
平野浩二


APDの現状や、実際の患者様の話が非常に簡潔に掲載されています。
「APDって何だかさっぱり分からない」という方向けです。

きこえているのにわからない
APD[聴覚情報処理障害]の理解と支援
小渕千絵


医療関係者向けに執筆された、日本で最初のAPDの書籍です。
専門家向けなので、難しい内容となっています。
医学的な視点でAPDを勉強したい方向けです。